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成瀬医院

 


そよかぜ通信
 

vol.8No.3 ver.1
200
6710

 

発行:成瀬医院  成瀬 清子

東京都杉並区清水 2-22-22

tel 03-5311-5133

 

 

目 次

 

感染症情報

麻疹・風疹混合ワクチン

区民健診での肝炎ウィルスチェックは今年が最後です

夏休みのお知らせ

 


感染症情報

お久しぶりです。こんな調子でしかそよかぜ通信をださないので、せっかく書き始めた感染症情報もすぐに時期はずれになってしまい、大幅に変更しての発行となりました。

この時期ですので、プール熱の診断がちらほら聞かれます。ただ、一年中見られる病気です。プール熱は正式には咽頭結膜熱と言う名のとおり、喉や目が真っ赤になり高熱が3〜5日、時に1週間続きます。感染力も強いので、症状が治まっても2日間登園、登校できません。アデノウィルスにより起こります。アデノウィルスは喉や結膜をこすって検査すると15分くらいで感染がわかります。ここで大事なのは、アデノウィルスが出たからと言って、必ずしもプール熱ではないということです。アデノウィルスには今わかっているだけで実に51も種類があり、多くの普通の風邪はアデノウィルスによるものですし、胃腸炎を起こしたり出血性膀胱炎を起こすこともあります。それぞれの型に起こしやすい疾患はあり、プール熱は主に3型、そして7型により起こります。ただ、そのほかにも数種類プール熱を起こす型がありますし、また3型が気管支炎や肺炎、胃腸炎を起こすこともあります。確かに3型が一番多いそうですが、簡単に型を調べることはできず、プール熱かどうかはあくまで症状から判断することになります。アデノウィルス感染症はほとんどの場合、安静にしていれば自分の力で直りますが、プール熱が疑われたらまずは受診して、診断してもらい、その後の対処の仕方を相談しましょう。変わらず溶連菌感染症もみられますが、そう多くはありません。

最近のトピックスはインフルエンザでしょうか。沖縄や北海道ではやっていることを新聞やニュースでご存知の方もいらっしゃることでしょう。この号を書き始めた頃は患者数が増加しておりましたが、7月になって減り始めています。日本の最北端、最南端ですから他岸の火事とお思いでしょうが、実は6月23日、杉並区の宮前中学がインフルエンザで学級閉鎖になりました。すぐ近くの学校ですので心配していましたが、その後拡大はないようです。ただ、この例でわかるように、インフルエンザは流行こそしないものの一年中発症しうる病気です。突然の発熱とともに、筋肉痛、関節痛などの全身症状が強い場合はインフルエンザを疑ってみる必要があるかもしれません。

感染症に関する最近のもうひとつの大きな話題は、麻疹(はしか)の流行です。本年4月初旬に茨城県、千葉県ではしかが流行し、総患者数は100人を超えました。発端となった小学校での集団発生は全員予防接種を受けた児童でしたので軽症ですんでいます。しかし、その後の感染が広がり、十数人が入院しました。この地域では5月下旬から一ヶ月以上新たな発症がないので、今回の流行はすでに終息したと考えられます。

          

麻疹・風疹混合ワクチン 

H10102日より前に生まれた人は適応ありー

他の先進国に比べ麻疹(はしか)の対策が著しく遅れており、はしかの輸出国として国際的にも非難を浴びている日本ですが、今年の4月からようやく麻疹と風疹の予防接種が混合ワクチンを用いた2回法になりました。1歳から2歳までの間に1回、小学校就学前の一年間に2回目を接種します。当初は、今まで7歳半まで受けられていた麻疹と風疹ワクチンが、一回目を2歳までに受けなくてはならなくなったり、単独ワクチンを接種した子供は混合ワクチンを接種できないなどの決まりがあり、混乱がありました。しかし、今回の流行が予防接種の重要性をさらに認識させてくれた効果もあるのでしょうか。その後、公費の適応の拡大が何度もあり、最終的には、麻疹、風疹とも、かかったことのない人は就学1年前までに1回、就学前一年間に混合ワクチン1回、計2回受けられることになりました。7月1日から、来年小学校に入る子供たちの混合ワクチン接種が始まっています。そしてさらに、これはあまり知られていないことですが、今年度に限り、すでに1年生になった子供たちもH19年3月31日まで、混合ワクチンが公費で受けられるようになりました。どちらかの病気にかかったことのある人、どちらか片方の予防接種だけ受けた人、年齢により、単独ワクチンを使う場合、混合ワクチンを使う場合といろいろなケースがあります。あまりに何度もルールが変更になり、我々も混乱しています。当院のスタッフも即答できないかも知れませんが、不明な点はお問い合わせいただき、積極的に予防接種を受けて下さい。

→ この記事については、大幅な訂正がありますので、次号該当記事をお読みください。(2006731日)

 

区民健診での肝炎ウィルスチェックは今年が最後です 

6年前から始まった5年毎の節目健診での肝炎ウィルス検査は今年で終了します。早く肝炎を見つけて治療し、肝癌の発症を防ぐための検診です。最終年度なので節目の方でなくても、今まで検査を受けていない方は、区民健診の際に同時に受けられます。詳しくはスタッフにお問い合わせ下さい。

 

夏休みのお知らせ

昨年は、新医院の移転準備ということで長い夏休みをとらせていただきましたが、今年も公私共に忙しく、少々ばて気味です。8月7日(月)から8月18日(金)まで、丸二週間診療を休ませていただきます。前後の土日を含めると5日(土)から20日(日)まで16日間診療がありません。なお、5日と19日の土曜日は城西病院で診療をしておりますので、中学生以上の方は受診可能です。12日は城西病院もお休みします。ご迷惑をおかけいたしますがよろしくご了承下さい。

 

 


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