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Vol.6 No.1 Ver.4 発行:成瀬医院 成瀬 清子 東京都杉並区清水 2-11-12 tel 03-5311-5133 |
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目 次
明けましておめでとうございます。新たな年を迎えたのに、凛とした引き締まった感じがしないのは、暖冬のせいでしょうか、年末の掃除ができなかったせいでしょうか。最近、医院の仕事に加えプライベートにも大変忙しく、思うようにそよかぜ通信が発行できませんが、少しずつでもお役に立つ情報をお伝えしたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨年度のインフルエンザの流行は比較的早く、12月に小さなピーク、1月後半に大きなピークがありました。今シーズンは暖冬のお陰か、年内に当院でインフルエンザと診断した患者さんは約10名。年末に目立った感染症は、例年通り嘔吐と下痢が主症状の感染性胃腸炎でしたが、これも比較的軽いものが多いようです。ひと頃なりを潜めていた溶連菌感染症や水痘(水ぼうそう)もちらほらみられました。今の所ゆっくりとした広がりのインフルエンザも、大寒波が来たりすると急激に増える可能性があります。今年もまずは、インフルエンザに関連した事からお伝えします。
今シーズンはワクチン不足の為、今後のインフルエンザの予防接種は既に予約済みの方のみで、新たな予約はお受けできない状態です。ワクチンは充分用意したつもりでしたのに、全体での不足が影響し、最終的にはかかりつけの患者さんをお断りすることとなり申し訳なく思っています。ただ、今年の流行が遅いとは言え、免疫ができるまでに時間がかかるので、本来今からの接種では少し遅すぎます。また、インフルエンザの方が受診する頃に接種に来られると、待ち合い室で感染しないかはらはらしてしまいます。来年度は早めに接種して下さい。予防接種専門の時間帯は12月いっぱいで終了する予定でしたが、1月23日まで三時半から予防接種を行ないます。予防接種の方は病気の方との接触を避けるため、なるべくこの時間帯に来ていただき、通常の診療の方は4時までお待ち下さい。
医療機関というのは患者さんが集まる所ですので、医院での感染はある程度やむを得ないものですが、できる限り少なくしたいと思います。感染の様式がSARSのお陰で一般の方にも知られるようになりましたが、ここで少し説明します。代表的な感染の仕方に、飛沫感染と空気感染があり、SARSは飛沫感染であろうと言われています。これは、咳やくしゃみなどで飛んだ鼻汁や唾液が直接口や鼻から入って感染するもので、ウィルスが空気中に長く存在することはありません。一方、空気感染するインフルエンザや麻疹(はしか)のウィルスは空気中で長い間生きていて、一緒にいなくても患者さんのいた部屋の空気を吸うだけで感染する可能性があります。待ち合い室は感染の起こりやすい場所です。高熱とともに咳やくしゃみのある方はマスクの着用をお願いします。また、軽い風邪症状のインフルエンザもありますが、診察してインフルエンザの診断がついてからでは遅いので、この時期は風邪の症状のある方はなるべくマスクを付けて下さるようお願いいたします。
ウィルスはとても小さいので、ガーゼのマスクは素通りして空気中に出て行きます。また、インフルエンザウィルスは粘膜に付着するとすぐ侵入して感染しますので、家に帰ってからうがいをしても間に合いません。受付にバイオマスク(2枚セット、メンソール入り、ガーゼ付き300円)、サージカルマスク(30円)を用意してありますので是非御利用下さい。ただし、窓口業務が煩雑になるため、御家庭用の販売、領収証の発行は御容赦願っておりますのでご了承下さい。
待ち合い室での感染防止の為にもうひとつお願いしたいこと。鼻を噛んだティッシュは水いりのゴミ箱に捨てて下さい。鼻汁の中にはたくさんのウィルスがいますが、ティッシュをそのまま捨てると空気中にどんどん出て行ってしまいます。しかし、インフルエンザウィルスは湿気に弱いので、水につけると直に死んでしまい、空気中への拡散を防ぐことができます。ちなみに、部屋の湿度が30%くらいだとインフルエンザウィルスは何時間も空気中で生きていますが、湿度を70%くらいに上げるとかなり早く死にます。インフルエンザにかかったら、部屋の湿度を充分に上げ、家族への感染を防ぎましょう。待ち合い室が狭く、加湿器や空気清浄器を置く場所がないのですが、いずれこの点も改善していきたいと思っています。
また上の文では、ガーゼのマスクやうがいは役に立たないように思えますが、喉の粘膜が乾燥しているとウィルスが感染しやすく、これを防ぐのに役立ちます。色々な対策により、インフエンザにかからないようにしましょう。
以前にもお伝えしましたように、花粉症をひどくしないためには、症状が出始める2週間位前から抗アレルギー剤を内服し始める事が大切です。東京周辺の今年の花粉飛散開始予想日は昨年より少し遅く2月16日から20日の間ということですので、一般的には2月4日前後から治療を開始することをお勧めします。ただし、花粉症の症状の出始める時期は人によって異なりますので、例年遅く発症する方はもう少し遅くても構いません。一方、「飛散開始日」より早く症状のでる方もいます。飛散開始日と言うのは1平方cmのワセリンを塗ったガラス板に1個以上の花粉が2日連続して観察された時の1日目を言いますので、ある程度の量の花粉が飛ぶようになった日です。東京で今年初めてスギ花粉を観測したのは1月8日で、もう既に少量の花粉は飛んでいます。敏感で症状が出始めている方は飛散開始日を待たずに早めに内服を開始して下さい。
昨年冷夏だったため、今年の杉の花付きは大変悪く、飛散量はとても少ないと予想されています。平成12年から15年は多い年が続きましたが、今年はこの10年間で一番少ない年になりそうです。花粉症は一旦症状がひどくなってからでは薬が効きにくいので判断が難しいのですが、例年症状の軽い方は慌てなくてもよいかもしれません。粘膜の過敏な方は、花粉の量が少なくても強い症状が出るそうです。「今年は大丈夫かなあと思っているうちにやっぱりひどくなっちゃって」とおっしゃる方が毎年たくさんおられますので、あの辛さは堪え難いと思われる方はやっぱりしっかり内服して下さい。
もっと詳しい情報を知りたい方は、下記のサイトをご覧下さい。鼻水の多いタイプ、鼻づまりが辛いタイプで適した治療薬も多少異なります。自分のタイプをしっかり掴んで、花粉情報を上手に利用し、今年の春は少しでも快適にお過ごし下さい。
→ 東京都の花粉情報 http://www.metro.tokyo.jp/LIVING/KAFUN/index.htm
→ 三共株式会社提供花粉情報 http://www.sankyo.co.jp/healthcare/kahun/index.html
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