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Vol.2
No.6 (ver.2) 発行:成瀬医院 成瀬 清子 東京都杉並区清水 2-11-12 tel 03-5311-5133 |
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目 次
忙しさに追われ、不本意ながらそよかぜ通信をなかなか完成させられないうちに開業1周年を迎えました。この1年間、患者さんから多くのことを学びつつ、どうにか無事に過ごせたことに心より感謝いたしております。そして、「自分は医者が好きだなあ。」と今更ながらに感じられることを幸せに思います。これからも常により良い医療をめざしたいと思っています。1年間、本当にありがとうございました。
予防接種は安全なんだろうか。本当に受けたほうがいいのだろうか。多くの方がお持ちの疑問だと思います。
もし、予防接種で重篤な副作用が出てしまったら、「予防するはずのものでこんなことになって、受けなければよかった。」と思うのは当然の心情です。前号の薬と同様、全く安全な予防接種はありません。受けなかった場合の危険性と比べる必要があります。
'74年、'75年と相次いで、三種混合の接種後各1名が脳症とショックで亡くなったことがきっかけで、一時、三種混合接種は中止になりました。すると直ぐに百日咳の流行が始まり、死者も出ました。そして同接種が再開されると、たちまち患者数および死亡数も著減しています。さらに、'81年秋より百日咳ワクチンは、日本で開発された無菌体ワクチンに変わり、それまでしばしばみられた接種後の高熱や熱性痙攣はほとんどなくなり、脳症などの合併症も極めてまれになっています。0−9歳の破傷風致死率も接種後急速に減りつつあります。一方、成人は接種率が低いので、致死率の減少は依然遅い現状です。
以上は、定期接種の例ですが、任意接種の予防接種はどうなのでしょうか。おたふく風邪は予防接種後、2−3%に一過性の耳下腺腫脹や発熱が見られますが、数日で治ります。「無菌性髄膜炎を起こすことがあるがほとんどの症例は治癒する」となっていますが、日本での中枢神経障害の報告はないようです。アメリカでは100万接種あたり0,9の報告でほとんど治癒しています。自然発症のおたふく風邪では100万あたり2500髄膜脳炎が発症していますので、はるかに少ない数字です。水痘の生ワクチンによる重篤な副作用の報告はありません。このワクチンの予防効果は完全ではありませんが、罹っても軽症ですんでいます。ただし、水痘は薬がとても良く効きます。
現時点では、通常行われている予防接種は有効と考えます。任意接種は高額ですし、個々の判断になりますが、定期接種は必ず受けることをお勧めします。ただし、予防接種の有効性は、接種しない時との比較の問題で、自然感染率が時代により変わるので絶対的なものではありません。次号では、春に一時中止になったポリオについてお伝えします。
インフルエンザの予防接種に関し、日本では今でも否定的な意見があります。しかし、私は自分なりに色々な資料で検討した結果、受けたほうが良いと強く思っています。詳しくは、昨年の通信を読んで戴けたらと思いますが、アメリカでは国ではなく、民間の保険会社がワクチンを無料で接種しています。これは、罹ってしまってからの医療費よりも安い、つまり、明らかに効果があると判断しているからです。
ただし、昨年もお伝えしましたが、予防接種をしたら絶対インフルエンザにかからないわけではありません。重症化を防ぎ、集団としては発症も抑制します。私は接種をお勧めしています。
さて、1回にするか、2回にするかです。基本的には、以前に繰り返しインフルエンザに罹ったり、ワクチンを打った大人は、たとえ流行の型が違っても1回で良いと考えていますが、ワクチンの使用法では2回接種することになっています。ご希望の方には2回行います。
ワクチンの入荷は10月半ばの予定です。10月でも早すぎる事はないので、届き次第開始いたします。今年は充分量確保したいと思っていますが予想がつきません。ご希望の方は、早めにご予約下さい。
※ 追記(2003年8月)
現在は、原則的に12才以下の子供は2回法、大人は一回法で行なっています。
9月ー11月は、高齢者検診の実施期間です。通常は行わない便による大腸癌検診や眼底検査(於:城西病院)なども行いますので、積極的に受けましょう。当日は、できれば朝食を食べずにお越し戴きますが、お薬は、通常通り飲んでいらして下さい。
※ 追記(2003年8月)
血糖降下剤は飲まないで下さい。
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