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成瀬医院

 


そよかぜ通信
 

vol.9 No.1 ver.1
200
715

 

発行:成瀬医院  成瀬 清子

東京都杉並区清水 2-22-22

tel 03-5311-5133

 

 

目 次

 

あけましておめでとうございます

感染症情報

スギ花粉情報

休診のお知らせ

成瀬医院でロケ

今年の目標:

 


あけましておめでとうございます

早いもので、開業してから7年、新医院に移転してから1年があっという間に過ぎました。新医院になって、今までより改善された点はいくつもありますが、地域医療への思いはたくさんありながらなかなか満足が行くようには前進できません。様々なジレンマの中でなかで一日一日を過ごし、また新しい年を迎えました。

日本の医療は崩壊しつつあります。これからどうなっていくのだろうかとの大きな不安がありますが、多くの人に支えられていることに感謝しつつ、できることを一つ一つやっていくしかありません。新年早々、暗いトーンになってしまいましたね。さあ、今年も頑張っていこう!!皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

感染症情報  

まずはインフルエンザ

新型インフルエンザの脅威にさらされていることは紛れもない事実ですが、通常のインフルエンザに関しては、今シーズンは不気味なくらいに静かです。例年、11月に流行が始まり、12月に増え始め、1月に急激に増加、2月初めにピーク、3月から4月に終息します。ところが今年は全国的に患者数が非常に少なく、12月末に警報レベルに達しているのは九州の2県だけ。東京都での報告数は例年の数十分の一、ほとんど出ていません。身近なところでは、下井草の開業医の先生の「B型が一人出ました!」と言うのが私の知っている唯一の報告です。

これが暖冬のせいか、予防接種開始が早まったことも少しは影響しているのか、理由はわかりません。このまま流行らないで終わってくれるのか、2004-2005年シーズンのように、立ち上がりは遅いものの、最終的には例年の患者数を大きく上回ることになるのか、多分、誰にもわからないことだと思います。

治療よりも予防が大切です。完全な予防対策はありませんが、加湿器、マスクなどを利用して部屋もノドも高温多湿にしましょう。インフルエンザのウィルスは、喉についてから15分くらいで組織の中に入り込んで(つまり感染して)しまいます。家に帰ってすぐうがいをしても、ほとんど役にはたちません。予防接種も万能ではありませんが、かかりにくくし、感染の拡大と重症化を防ぎます。今年は年が明けてからでも充分間に合いそうです。する予定でついつい時期が過ぎてしまった方は、いまからでも予防接種をうけましょう。

 

ノロウィルスによる感染性胃腸炎

これも毎年冬に急増する疾患ですが、インフルエンザとは逆に今年は例年を上回る患者数が報告されており、マスコミでも大きく取り上げているので、皆さんもよくご存知でしょう。当院でも年末には連日嘔吐、下痢の患者さんがみえました。通常2〜3日で軽快し、学校保健的には通常は出校停止にならない疾患ですが、感染力が非常に強いため社会問題になっています。校長判断で出校停止になっている学校もあります。そうなると治癒証明書が必要ですが、これが悩みの種。調理師さん、介護の仕事についている人なども含め、何時になったら学校、職場に復帰してよいのか、基準はありません。下痢は長いと1週間から一ヶ月も続くことがあり、ウィルスもかなり長期間便の中に存在します。患者さんは長い間感染源になる可能性がありますが、きっちり手洗い、手袋使用等の防御をすれば防ぐことができます。一ヶ月も職場に戻れないというのは現実的ではありません。でも、この「きっちり」は相当きっちりする必要があります。

ノロウィルスの感染の仕方は、「経口感染」と言って、直接口からウィルスが入ることで感染します。インフルエンザのように空気中に浮遊して感染する「空気感染」ではありませんし、くしゃみなどで飛んでうつる「飛まつ感染」でもありません。つまり、極端に言えば吐物や便が直接口に入ることで感染するのです。えっ!そんな馬鹿な、と思われるかもしれませんね。誰も便を口に入れてるなんて思いませんよね。私もかつては、感染性胃腸炎の人と一緒に食事をすると、たとえその人がその場で吐いたりしなくても多くの人にうつることがあるので、経口感染と言うことが信じられず、絶対飛まつ感染をするのだと思っていました。でも、通常の細菌性の食中毒は1億位の菌が入らなければ発病しませんが、ノロウィルスは100個以下、実験では10個のウィルスで感染するのだそうです。そして、インフルエンザウィルスはティッシュペーパー数枚を通すそうですから、同じような大きさのノロウィルスだって似たものだと思います。そうすると、自分では便を触ったつもりは全くなくても、下着やトイレットペーパーを介してウィルスが手に付くこと、そして蛇口やドアノブを通じて容易に感染することがわかります。ウィルスが付いた手で調理したりお皿に触れば、たちまち食中毒の原因になってしまいます。

かかった人は注意をしなければ長期間にわたり感染源になりますが、我が家では長男がノロウィルスと思われる嘔吐、下痢になりましたが、家族には誰にも移りませんでした。どう対処するかがポイントです。話が長くなりましたが、要するに、職場や学校に復帰できる時期は、病気が完全に治った時ではなく、患者さんが感染の仕方を充分理解した時だと思います。

でもこのことを充分説明していると、どんどん診察時間が長くなります。勿論、病気そのものの対処の仕方もお話しなければなりません。充分時間を取れば、その分他の患者さんを長く待たせることになります。この時期、「吐いたり下痢したりしている人はいませんかあ。」と待合室で叫んで、感染性胃腸炎の疑いのある人は一緒に説明したいなあ、と正直思うこの頃です。疑いのある方は、H16年に書いたノロウィルスの説明(改訂版を書きたいのだけれど、時間がない)と共に、この文を診察前に読んでいただくとありがたいのです。と言っても読んだ後でしかこの希望は伝わらないですよね。

 

スギ花粉情報 

関東地方のスギ花粉の飛散開始予想日は、今年も2月10日前後です。今年は昨年よりさらに花粉の飛散は少なそうです。しかし、重症の方はそれでも症状が出てしまいます。昨年も辛かったなと思う方は1月末から抗アレルギー剤の内服を始めてください。

 

休診のお知らせ

先の話になりますが、例年3月から4月に春休みをいただいております。1週間休診したこともありますし、昨年のように離れて3日のこともあります。今年はまだ予定を決めかねておりますが、少なくとも23日(金)は子供の卒業式のため休診させていただきます。その前後にしばらくお休みをいただくかもしれません。次回のお知らせにご注意下さい。

 

成瀬医院でロケ

昨年の11月の日曜日、当院を使ってテレビドラマのロケが行われました。主演女優は片平なぎささん。とても感じのよい女優さんでした。当院が使われたのはほんの2〜3シーンですが、カットされなければ私も一瞬登場します。1月26日(金)夜九時。フジテレビ、金曜エンタテイメント。タイトルは変更がなければ多分「永遠(とわ)へ」。

お暇な方はご覧下さい。

 

今年の目標:

書きかけで中断するそよかぜ通信を減らすこと

去年も結構書いたのですよね。告知の問題、患者さんのよびかた、最近では、インフルエンザの予防接種のこと、例年になく美しかった紅葉のこと等々。忙しくて完成しないのですが、せっかく書いたのだから本当に無駄でもったいない。

「そよかぜ通信」はどうしても一定のかたちに仕上げなくてはなりません。今回のそよかぜも、書いては直し、うう〜〜ムと考え込み。大して推敲を重ねているわけではないにしても、どんどん書くと大抵は長くなりすぎて、大幅にカットします。そんな訳で結構時間がかかるのです。(実は目標を掲げたにもかかわらず、今回もインフルエンザに関すること書き始めているのに未完成で載せていません。インフルエンザが流行る前に絶対書きあげます。)

医療に関することに限定せず、色々な思いを気楽に書くこと。ホームページでそんなことをしようかなとも考えています。

 

 


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