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Vol.7 No.2 Ver.1 発行:成瀬医院 成瀬 清子 東京都杉並区清水 2-11-12 tel 03-5311-5133 |
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目 次
開業して5年あまり経ち、患者さんも徐々に増え、インフルエンザの予防接種の時期などには待合室に入りきれない状況です。ここ1〜2年対策をあれこれ考えてきましたが、実現には至りませんでした。そんな中で今年に入り、たまたま近くの土地を紹介され、医院を新しく建てる話が急速にまとまりました。順調に行けば秋には引っ越すことになります。昔、「狭いながらも楽しい我が家」というフレーズを耳にしましたが、この医院も狭いならではの良さがあり、広くすることで失うものもあります。それでも、新しくすることのメリットのほうが多いと判断しました。引越しはまだ先の話ですが、たまに来院される方が戸惑われない様、早めにお知らせいたします。
場所は、現在の医院を出て、右前方の細い道を下った先の四つ角の右向こうの角です。科学館の信号を南下して初めての角です。こんな説明でお判りでしょうか。とにかく直ぐ近くですので、移転を知らずにお見えになっても歩いて簡単に行ける場所です。今後、少しずつ新しい医院の説明をして、移転に伴う混乱を減らしたいと思っています。
ーー携帯やパソコンで受付可能となりますーー
最近、混雑時に受付をしてから一度帰られる方や、「今混んでいますか?」という電話が増えています。待合室での待ち時間は時間の無駄だけでなく、感染の機会も増やします。自転車が並んでいないので寄ってみましたとおっしゃる方も多く、いかに混雑が受診を妨げているかがわかります。
新しい診療所では、携帯電話やパソコンから受付ができ、受付番号と混雑状況(待っている人の数)がわかり、自分の番が近くなってから来院できるシステムを導入する予定です。もちろん通常の受付も可能です。携帯電話等を使い慣れない方々が不利になると困りますが、受付時間に多少の差がでても、来院して受付をする方の待ち時間が今より長くなるわけではありません。窓口での受付時に銀行で使われているような番号券をお渡し、待合室にも現在診療中の番号、おおよその待ち時間、不在でスキップした患者さんの番号を表示します。完璧なシステムというものは難しいですが、すべての方にとって今の状況よりよいシステムとなることを期待しています。
このシステムには検討事項がいくつかあります。朝一番で来たつもりなのに既に10番目という状況は避けなくてはなりません。現在、朝の診療の受付は8時45分からおこなっていますが、インターネットによる受付開始は9時あるいはそれ以降の予定です。また、多くの方が順番取りだけして、後になってまとめて来院されるのも困ります。現在も、「さあ今度は自分の番」と思っていても、早い番号の方が次々戻られ、なかなか自分の診察順が来ないということが起こり、状況により、戻られても一人お待ちいただくことをしています。今後は、本来の順番より遅れて戻られた方に少しお待ちいただくルールをはっきり決める予定です。しかし、空いている時はインターネットで受付をしてすぐ来ても、既に自分の番が過ぎているかもしれません。遅れた場合どのくらいお待ちいただくのがベストか検討が必要です。
このシステムはおおよその待ち時間を、人数かける何分で計算し表示します。診察時間は人によってとても差があるのであくまで目安にしかなりませんが、それでもシステム上表示されてしまうので、平均診察時間を設定しなくてはなりません。また、現在、家族で一緒に受診なさる場合、一家族にひとつの番号をお渡ししていますが、今後はカルテの用意の関係もあり、別々の番号になります。そうすると、カルテ番号の入力等に時間がかかると、同一家族で連番にならない可能性があります。家族の場合だけ一緒に診察することにすると、待ち時間の予想が狂いやすくなります。すいている季節と混んでいる季節でも流れが異なるでしょうし、インフルエンザの予防接種の時間帯から診療時間帯への移行の仕方も問題です。いいシステムだと思うので始めるのですが、実際の運営には結構頭を悩ませそうです。とにかくやってみないことには感じがつかめません。
新しい診療所と一緒にスタートすると、慣れないことだらけで混乱しますので、患者さんの少ない六月頃から試運転を行う予定です。検討事項を長々書いたのは、患者さんにも問題点を理解していただき、試行錯誤しながらよりよい運営方法を一緒に探したいからですので、皆さんどうぞ試運転にご参加いただき、ご意見をお寄せ下さい。携帯電話等を使わない方のご意見もお待ちしています。
私は小学生の頃電車通学をしており、近所に友達もなく、家にテレビもありませんでした。毎日毎日学校の帰りに図書館に寄り、3冊ずつ本を借り(それがその図書館の制限数でした)、電車の中でも、時には歩きながらも本を読んで過ごしました。このことは私にさまざまなものを与えてくれたと思います。しかし、わが子をはじめ、最近は本を読む子どもが少ないのが残念でたまりません。
以前から、もしも新しい診療所を建てる機会があったら、日当たりのよい広い待合室をつくりたいと思っていました。コルク材の床暖房の上で子どもたちが本を読んでいる、というのが私の夢のイメージでした。今の待合室には、診察に呼ばれても中断しやすいクイズやゲーム感覚の本を多くおいています。でも、本当はもっと読書をしてほしい。待合室が広くなったら本をたくさん置こう。退屈しのぎに本を手にして、順番が来て中断したらそのまま家に持ち帰れるようにすれば、本に親しむ機会が増えるのではないか、そして出来るだけ質のよい本を置こう。貸し出しのシステムは「そよかぜ文庫」。これが私の夢でした。
開業して5年。とても新しい診療所は建てられそうにないなと思った昨年、せめてそよかぜ文庫だけでもスタートしようと、本棚を買い、家にたくさんとってあった子どもたちの本に番号をつけました。しかし、本棚は安定した状態で設置できずに放置され、しばしば靴入れと間違われて、靴やスリッパが並んでいるのを発見して苦笑する日々です。
そんななか、今年に入り、急に新診療所建築の話がまとまりました。さあ、待望の待合室が出来るかなと思いきや、そうはいきませんでした。「南向きで日がさんさんと入り込む」、ということは広い庭でもない限り外から見えてしまうことになるので、プライバシーを守る点から待合室には不向きです。コルクの床材は清掃に問題がでます。専門家が診療所として最低限という床面積を確保できないので、待合室も大して広くはありません。もっとも、広い待合室が必要ということは、たくさんの患者さんが長時間待つということを意味し、好ましいことではありません。前述の受付システムの導入により、そこそこの広さの待合室でも混雑のないようにしたいと思います。待ち時間が少なくなるとじっくり本を読む気にならないかも知れませんが、せっかく準備したので、こちらも新診療所に移る前にスタートしたいと思います。
書棚の横に貸し出しノートが下げてあります。家に持ち帰って読みたい本があったらノートに記入していただき、返却する際にもチェックをお願いします。窓口を通すとスタッフの仕事が増えますので、ご自分でノートに記入していただくだけで結構です。幼児に人気のアンパンマンやポケモン探しの本など、一部貸し出しできないものもあります。番号のついている本が貸し出し可能です。病気でもないのにわざわざ返しに来ていただくのも大変ですが、戻ってこない本が多いと続けられませんので、貸し出し期間は一応2週間でスタートしてみます。厳選した本だけにしたいと思う反面、とりあえず本を手にして欲しいという思いもあります。まずは手元にある本をいろいろ置いて貸し出し状況をみてみます。中高生向けの本も検討中です。うまく続けられ、一人でも多くの子どもが本に親しんでくれたらうれしいです。
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