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Vol.3
No.2 (ver.2) 発行：成瀬医院 成瀬 清子 東京都杉並区清水 2-11-12 tel 03-5311-5133 |
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御無沙汰しました
コンピューターが壊れたり、プライベートに忙しかったりで、そよかぜ通信の発行がすっかり延び延びになってしまいました。前号中途半端になってしまった検査データの読み方は後回しにして、まずは季節の感染症情報です。
感染症情報—りんご病
昨年来、おたふく風邪、感冒性胃腸炎が多く見られましたが、今、一番目立つ感染症はりんご病です。正式の名前は伝染性紅斑と言い、昨年も通信で少し触れましたが、御質問も多いので再度触れたいと思います。
ヒトパルヴォウィルスという聞きなれないウィルスでおこる感染症です。まず頬がりんごのように赤くなるのでこの名前で呼ばれており、発疹はしだいに腕、足、時に胴や臀部に広がります。網目状、レース状、大理石様などと表現されるまだらな発疹が特徴ですが、頬が熱を持って真っ赤になることもあれば、中心は赤くならず、周だけのこともあり、網目状にならず、点状の事もあります。通常、熱は出ても37.5度程度で特に治療も必要ありません。痒みを伴うことがあり、かゆみが強い場合はかゆみ止めの薬を使うこともあります。
潜伏期は２０〜２７日。発疹が出た時は、もう人には移さず登園、登校禁止にはなりませんので、許可証もいりません。発疹に特徴がある、軽い風邪と考えていただいて、熱があったり、具合の悪い時は通常の風邪と同様にお休みしましょう。発疹は４〜５日で消えますが、２週間くらいは直射日光に当たったり、熱いお風呂に入ったりするとまた出てくることがありますので、無理をせずに過ごしましょう。幼児、小学生に多く見られますが、大人もかかることがあり、稀に重くなります。妊娠初期にかかると流産することもありますが、風疹のように奇形の原因にはならないようです。
手足口病、ヘルパンギーナ
初夏に流行するこのほかの病気に、手足口病やヘルパンギーナがあります。
手足口病はこれまた名前の通り、手、足、口に水疱のできる病気です。手のひら、足の裏、口の中（頬の粘膜、舌）が主ですが、手足の甲や膝の裏側、臀部、太ももにも水泡やうす赤い発疹がでることがあります。主にコクサッキーウィルスA５、A１０、A１６型のウィルスによりおこり、発熱、全身症状は通常軽いですが、エンテロウィルス７１型によるものはまれに髄膜炎をおこすことがあります。高熱が出たり、とろとろしている時は注意深く経過をみてください。口内炎が痛むと、お腹が空いてもミルクを飲んだり、食べるのを嫌がるようになります。大人にも感染します。
ヘルパンギーナもコクサッキーウィルスA群による夏風邪です。口の中、特にのどの奥にぶら下がっている「のどびこ」「のどちんこ」(口蓋垂)の根元に水膨れができるのが特徴です。ヘルパンギーナと難しい名前がついていますが、のどに水疱ができ、高熱が出やすい夏風邪をひっくるめてそう呼んでいるだけで、特別な病気ではなく合併症もでませんので心配はいりません。高熱は、１日でさがることも２〜３日続くこともあります。やはり、のどが痛くて食べたがりません。
手足口病でもヘルパンギーナでも、あまり痛い時はアセトアミノフェン（カロナールや市販のバファリン）を飲んでから食事をすると少し食べやすくなりますが、無理に食べる必要もありません。トマトやメロンなども結構しみるものです。治ればもりもり食べますので、痛い間は水分を充分とり、アイスクリームやプリンなど冷たく飲み込みやすいものを食べましょう。
ひきつけを起こしやすい子は、手足口病でもヘルパンギーナでも熱性痙攣をおこすことがあります。また、両者とも免疫が長く続かないせいか、ウィルスが１つでないせいか、１度罹ってもまた罹ります。6月初旬現在、ヘルパンギーナはちらほら出始めました。手足口病はほとんど出ていません。
発疹の出るウィルスの感染症はこのほかにもたくさんあります。発疹や病気の経過に特徴がないものはウィルスを特定できず、名前もつけられませんが、名前のつかないものは心配いりません。
発疹が、感染によるか、アレルギーか、蕁麻疹か、湿疹かの判断は医師でも難しいことがしばしばですが、皮膚にいつもと違った発疹がでたら、一応受診して下さい。
お知らせ
次回の休日診療担当日は７月１日です。午前９時から午後５時まで、昼休み無しで診療しています。急患の方はお越し下さい。
都合により、７月２４日(火)、２６日（木）、２７日（金）の午前の診療担当は、成瀬から杉立に変更、２６日（木）夕方の診療は休診とさせていただきます。御迷惑をおかけいたしますがよろしくお願いいたします。
８月のお休みは、近日中にお知らせいたします。
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