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Vol.3
No.1 (ver.1) 発行:成瀬医院 成瀬 清子 東京都杉並区清水 2-11-12 tel 03-5311-5133 |
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皆さま、新しい世紀をどのような気持で迎えられたでしょうか。この新しい世紀が人類の破滅に向わず、あらゆる面で健やかな世紀になるよう願う時、そのほんの一部ではありますが、当院がより充実し、皆様方の健康維持、不安の解消に少しでもお役に立てたらと思います。本年もどうぞよろしくお願い致します。
昨年暮は、流行性耳下腺炎、いわゆるおたふく風邪がかなり多くみられました。これは、ウイルスでおこる感染症で、唾液腺が腫れるのが特徴です。普通、耳の下にある耳下腺が腫れますが、顎の両わき下にある顎下腺が腫れることもあり、顎の真下にある舌下腺が腫れることも極くまれにあります。大抵、片方の耳下腺がまず腫れ、1−5日で反対側も腫れてきますが、一方でけのこともあります。腫れがひくまで登校、登園禁止ですが、5日目に反対側が腫れ始めると、両方ひくのに10日位かかったり、まず耳下腺が腫れ、次に別の唾液腺が腫れたりすると、もっと長くかかることもあります。腫れる数日前から唾液にウイルスがでて、腫れている間は人にうつります。うつってから発病するまでの潜伏期は17−21日。熱は出ない人から40度位まで上がる人まで様々ですが、小さい子は軽く済む事が多いです。噛むと唾液が出て痛いので、食事が摂りにくくなります。アイスクリームや喉の通りのよいものにします。通常、薬は必要ありませんが、食事の前に鎮痛剤を飲むと少し食事がしやすくなります。
以前罹った人、予防注射をした人、もかかることがあります。今回1度治ったと思われたのに、10日以上たって、また別の唾液腺が腫れてきた子もいます。はしか等に比べ軽い病気で、子供の場合たとえ髄膜炎を起こしても多くは後遺症なしになおります。成人男性の場合25−30%が副睾丸炎を起こしますが、必ずしも不妊にはなりません。しかし、大人がかかると重症になりやすく、入院することもしばしばです。
今回、御相談の多かったのは、子供のころに罹った記憶のないお父さんです。はしかとは異なりウイルスに感染しても発病しない事がよくありますので、罹ってない方も多くは抗体を持っています。しかし、もし抗体がなければ、うつるとかなり重症になる可能性があります。お子さんが罹ってから予防注射をしてももう間に合いませんが、この機会にしておくのも一法です。ワクチンが高いので、当院では5000円で行っています。抗体があるか血液検査で調べることもできますが、やはり自費で4−5000円かか、それでもし陰性なら、予防注射にさらに5000円かかってしまうので、初めから注射をしてしまったほうがよいかもしれません。抗体があっても注射は差し支えありません。
随分長くなりましたが、冬休みで、流行がおさまるのを期待しています。
インフルエンザも出始めました。予防接種をして予定してる方は、至急受けて下さい。熱のない風邪や喘息などは問題ありません。治療薬としては、昨シーズンも使ったシンメトレル(A型にはとてもよく効きました。安い薬です。)に加え、今年は、A型B型両方に効く薬が使えますが、残念ながら保険適応になっていないので、5000円位かかってしまいます。どちらも、なるべく早く、遅くとも発熱後48時間以内に開始します。
シーズンがら、お腹にくる風邪も目立ちましたが、軽い方が多いです。詳しくは昨年のそよかぜ通信をお読み下さい。
昨年はスギ花粉飛散量の計測を初めて3番目に多い年でしたので、花粉症の治療もなかなか大変でした。今年の飛散量は昨年よりは若干少ないものの、かなり多いと予測されています。治療開始の目安は飛散開始日の2週間前。今年は1月27日頃になると思います。早めの治療が後を楽にします。もう少し詳しい情報が入りましたら院内に掲示致しますので、症状の出る前にお越し下さい。
今まで、花粉症の薬には眠気がつきものでしたが、今年は、全く眠気の副作用のない薬が使えるようになりました。私自身はまだ患者さんに投薬したことがないので、治療効果は実感していませんが、かなり期待できそうです。
老人保健の一部負担金額が改正されました
又々、保健法が改正され、1月1日より、主に老人の一部負担金が変更になりました。この一部負担金の算出法には、定率制と定額制の二通りがあります。どちらの方が、患者さんの負担が少なくなるかは(医療機関の収入は変わりません)診療内容、回数により異なりますが、内科医院の場合、全体としては定額制の方が低いだろうと試算されており、また毎回同じ金額の方が判りやすく混乱を避けられますので、当院では定額制を採用しました。これにより、老人保険適用の方は、1日800円を月4回までお支払いいただきます。5回目以降は無料です。
保険証は毎月確認することが規則で決まっており、関系当局からも再三指導、通達があります。小さな医院では、患者さんとも直ぐ顔馴染みになりますので、保険証を不正に使われる方はまずないであろうと思い、当初、毎月の確認は必要ないと思っておりました。ところが、1年あまり保険請求をしておりますと、保険変更になっていたり、資格喪失していのを、患者さん自身が全く気がついておられなかったり、忘れていたりする例がかなりある事が判りました。保健組合からの差し戻しは半年以上たって来ることもしばしばで、数ヶ月分を毎月毎月出し直さなくてはならず、事務処理量を増やしています。今後は、月1回の確認を徹底していきたいと思いますので、どうぞよろしく御協力下さい。
ケーブル回線の普及の為でしょうか、最近、以前に伺った電話番号では御連絡がとれない事があります。診療後の病状が心配なとき、薬を間違えてお渡ししたとき等、こちらから連絡が必要な事があります。電話番号が変わられた時は、必ずお知らせ下さい。
検査をの結果を聞くとき、自分(のデータ)は正常なのだろうか、異常なのだろうか
とても気になりますよね。今回のテーマは検査データの読み方です。当院では、血液検査の結果は2部もらって、1部は患者さんにお渡しするようにしていますから、検査項目の横に書かれている「正常値」と自分の結果を比べ、その範囲に入っていれば「正常」、範囲からはずれ自分のデータの横に!マークが付いていれば「異常」だと考えておられる方が多いと思います。ところが、この「正常」「異常」の判断はそう簡単ではありません。検査伝票をよく見ると、検査項目の横にかかれている数値は、「正常値」ではなく「基準値」、つまり判断の基準にする値でしかないのです。うーん、何だかよくわかりませんね。
まず、正常値を決めるのがとても難しいことを少し説明しましょう。正常者の値を並べて、たとえば正常者の98%が入る範囲を基準値として決めます。正常と異常をはっきり分けられる検査は優れた検査なのですが(この場合は100%となります)、多くの検査はオーバーラップします。ですから、検査によっては、その人が正常でも基準値の範囲からはずれたり、異常でも範囲にはいってしまうこともあります。
実は、後約1ページ書いたのですが、まだ文章が練れていません。色々お知らせがあるので、どうしても1月5日に出したいので取り敢えず発行します。興味のある方は、後日、ver.2 以降をお読み下さい。中途半端でごめんなさい。
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