[Top ページへ] | |
はしかの予防接種をうけましょう |
予防接種に関するそよかぜ通信が完成しないので,取り敢えずのお知らせです。
東京都では麻疹(はしか)がはやっています。マスコミでも「予防接種を受けよう」と報道しています。中・高・大学生など,過去に予防接種を受けた人でもかかっていますので,是非再接種を受けてください。ただし,全ての人に予防接種が必要なわけではありません。全ての人が受けることは麻疹根絶にはよい方法ですが,お金もかかるし,ワクチン不足も心配です。
麻疹にかかったことが確実な人 (親の記憶はあてになりませんが) | 不要 |
50歳以上の人 | 不要 |
40歳代でかかったか不明な人 | まず不要。血液検査で抗体(免疫)を調べ無ければ接種 検査せずに接種してもよいがワクチン不足が心配 |
30歳代でかかったか不明な人 | なるべく接種。検査が先でもよい。 |
小学生以上の人で,予防接種を1回だけ受け, その後,麻しん患者に接触していない人 |
接種 (大きい人ほど免疫が落ちている可能性あり。大人や大学生が最も必要) |
2歳以上で予防接種を受けていない人 | 至急接種 |
来年小学校1年生になる人 | なるべく早くMR2期を受ける(公費) |
一才になったら | ただちにMR1期を受ける(公費) |
(6)9〜11ヶ月 ※6〜8ヶ月は状況によります | 接種(自費) 12〜15ヶ月で再接種(公費) |
0〜5ヶ月の乳児。麻しん患者に接触したら | ガンマグロブリンをうつかどうか医師と相談 |
麻疹は,免疫が無い人が感染すると100%発病します。約1/3に肺炎や中耳炎などの合併症が出て,通常の肺炎とは異なる間質性肺炎などになればさらに重症になりやすいそうです。医療の進んだ日本でも1000人に一人が死亡。1998〜1999年の沖縄の流行では約2000人が罹患,8人が死亡。4〜500人の重症患者は懸命な治療により,どうにか助かったとのことです。
東京の現状をマスコミでは,「ほとんどの患者は予防接種を受けていなかった(実際には受けている人もかなり多い)」「多くは軽症(軽い人は接種してた人ではないかなあ)」と,未接種,既接種の区別無しで報道しますから,免疫が無い人が罹っても軽く済むと思われていないか心配ですが,それはさておき・・。
一度かかったらまずかかりません。明らかにかかった人は不要。
予防接種が始まる前は10歳ころまでにほぼ全員かかっていたため,現在40歳以上の方は予防接種は必要ないと考えられます。
昭和44年 | 生ワクチンの任意予防接種が開始(接種率約30%) |
昭和53年10月 | 定期接種開始(接種率60〜70%) |
過去に予防接種をうけた人も1回だけなら予防接種が必要。
理由 | 予防接種をしても100人に数名は免疫が付いていない。 予防接種が広まり,ウィルスに触れる機会が減ったため,免疫が年とともに落ちる。(0-4歳96.7%,5-9歳91.7%,10-14歳86.4% 2001年大阪) |
1歳以上,30歳未満で予防接種を受けていない人は一番危険。接種!
乳児のお母さんからもらった免疫は徐々に減ります。
免疫の残り具合は人により異なり,6〜8ヶ月では10人中6人,11ヶ月では10人中9人が感染すれば発病します。流行の状態によりますが,今の杉並区の状況では9ヶ月以上の子は受けたほうがよいでしょう。6〜8ヶ月は身近に麻疹の情報を聞いたらすぐ接種。保育園など,集団生活をしている人は接種。麻疹の患者さんに接したら緊急接種です。(はしかの死亡者の多くは,予防接種をうけていない0〜1歳児です。)
集団生活をしている子は,はやっていない時も,接種をお勧めします。
過去にかかった人,既に感染している人が予防接種をしても,問題はありません。
6ヶ月未満には予防接種の適応はありません。
[Top ページへ] | Copyright (C) 2007 成瀬医院 |